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Mia and Chihiro
Pickup Photo!
2013/01/16 :: Resonant Filter for Pro Tools
表題の通り,Pro Toolsにおけるレゾナント・フィルタについて書こうと思い立ち,まずはレゾナント・フィルタとはなんぞや,と言うところから始めなくては,と思ったものの,ちゃんと説明するためには相応の数学的知識が必要で,積分回路云々から始まって特異点とか(有限次数の)極とか複素解析……等々,挫折しそうになりましたが,取り敢えず難しいところはザックリ端折ることにして書くことにしました。

というわけで,ザックリ端折ってレゾナント・フィルタとはなんぞや,と云うことですが,具体的にはアナログ・シンセサイザーのVCFなど,カットオフ周波数(周辺)を強調する特性(共振)を持ったフィルターをレゾナント・フィルタと呼びます。その昔,レゾナント・フィルタは主に楽器用ぐらいしか無かったのですが,ダンスミュージック,特にHouse等において特徴的な使い方をされ(1990年代後半以降!?)脚光を浴びるようになり(と云うと大袈裟かもしれませんが),2000年頃前後フィルター単機能機,1996年にMutator,2001年にはSherman FilterBank 2,AKAI MFC42等が登場。DAWにおいてはダンスミュージックによりフィットした製品は,Cubaseとか,純正でレゾナントフィルタ・プラグインが付属するようになりました。

翻って,Pro Tools。主観的な見方になってしまうけれども,Pro Tools 8でAIRプラグイン(Vintage Filter)が付属するようになるまでレゾナント・フィルタに関しては遅れをとっていた印象。3rd Party製もそれほど種類豊富というわけではなく選択は限られる状態だった。Avid,というかDigidesignでは古くから実機シミュレーションのMoogerfooger Lowpass Filterがあるけれども,あくまでも楽器用で「Master Busに使用しオケ全体で」なんて用途には不向き,取り敢えずもれなく歪むし。個人的にはこれまでレゾナント・フィルタとしてはSoundToy FilterFreakかMcDSP FilterBankを,ほぼ何の迷いもなく使ってきたのだが,ふと「その選択は正しい??」と疑問に思ってつい先日何個か試してみた結果,そのレポートが今回のエントリとなっています。

テスト方法は,とあるステレオ音源,ジャンル的にはHard Danceになるものですが,トラックに対象となるプラグインをインサートし,フィルターはLPF(-24dB/oct,4 Pole)を選択,レゾナンスはそれぞれ一様ではないので聴感で調整。オートメーションでカットオフ周波数を200Hzから20KHzまでスイープさせ,レゾナンスは20KHz到達時に0戻し,その後プラグイン自体をバイパス。単純にフィルターの掛かり具合だけではなく,例えばMaster Busで使用したときフィルター開放時の音の劣化・変化などがあるかどうか,そのままプラグインをバイパスして違和感がないか等のチェックをしてみました。ちなみに-6dB/oct(周波数が倍になる毎に音量が半分にはる)のフィルターは最も簡単な構成で実現できるもので積分回路の場合「1次ローパスフィルター」とも呼ばれ,n次数のLPFはn*-6dB/octとなる。英語では First-Order Filterとも呼ぶようですが,別にn Poleと云う呼称も使用され,これが楽器系で見かける2 Poleとか4 Poleとなるわけです。従って2 Poleとあれば2*6の-12dB/oct,4 Poleであればその倍。

!!$photo1!!

まず比較の基準とすべくSoundToyのFilterFreak。カットオブ20KHz,レゾナンス0の状態でプラグイン・バイパス時と音質差がきわめて少なく,音の広がり具合も含めて遜色無く,Master Busでも安心して使える印象。フィルターを閉じた状態からジョジョに開いても個々の音の定位感も安定していて理想的。レゾナンスも発振するまで上げられるのであらゆる状況に対応できそうです。フィルターはLFOでも動かせるし,エンベロープフォロワーでも動かせるのでオールラウンドに使えるプラグイン。難点はTDM環境で一カ所使っただけでDSPを1スロット占有してしまうこと。Nativeでもやや重めなこと。

McDSPのFilterBank。これはEQセット品なのですが,フィルターだけのモジュール(V5ではF202と表示)はQをコントロールすることによりレゾナント・フィルターとして使える。動作も軽く多チャンネルで使う場合などには便利。ただ,FilterFreakと比べてみると,インサートしただけで僅かに音が軽くなる傾向があり,フィルター開放時ややシャリシャリになる感じもあり,Master Busで使用となるとやや躊躇せざるおえない印象を受けた。特に低音の太さが命のトラックに使うには。

Wave Oneknob Filter。これはWavesプラグインがV9となりDiamond Bundleにも含まれるようになった後,ずっとその見た目から全く興味を持っていなかったのだが,なんかの拍子で「実際のところどの程度の実力??」と急に疑問に思い始め,今回の比較検証の切っ掛けとなったプラグイン。実際使ってみると見た目に反して!?意外と好印象。フィルター開放時などで原音を損なわない具合はFilterFreakに匹敵するのでは,と思えるほど。バイパス・オンオフでも音質差は気にならない。ただフィルターを閉じたときそこそこ歪みっぽくなるのが欠点と云えば欠点。好意的に見ればDJミキサーのそれっぽい,雰囲気重視で多少の歪みは敢えて,と思えばむしろよりリアル,と言えるだろうか。また,エンジニア的にはカットオフ周波数がHzで表示されないのがやや不満であるけれども,そこら辺も雰囲気で,てことだろうか?20Hzから20Khzで可変とするならばツマミが50%では640Hz辺りだとは思うが。

Sonalksis Creative Filter。見た目はOneKnob Filterを渋くした感じ!? 確かこちらの登場の方が早かったか?! 全体的にはこちらも好印象。ただし,音の広がりはやや損なわれる傾向。アナログ音質にこだわっているせいかハイエンドを抑え気味にする傾向があり,フィルター開放時とプラグイン・パイパス時の音質差が結構ある。従って音の途中でバイパスにする用途には適さないかもしれない。Master Busで使うと云うより,ここのトラックでの使用はありかも。

FibFilter Micro。インサートしただけで歪んでしまうので,その時点でテスト終了。

AIR Vintage Filter。そう言えばAIRもM-Audioが売却されたタイミングで売却されてしまっていたのですね,あらためて知りました。音の方はインサートしただけでやや軽く,細くなる傾向でその点ではFilterBankに近いかも。FATというパラメータがあってある程度の改善は可能になっているが,音の分離感,粒立ちが悪化する感じはどうすることも出来ず「所詮おまけプラグイン」な印象は拭えなかった。どうしても,精度の高い計算をプラグイン内でしていないような音,と云った印象。

Eventide H3000 Factory Native。ちょっと番外的ですが,一応Q可変のフィルターが用意されている。ただしカットオフ特性とQが連動している関係上,例えば-24dB/octでレゾナンスだけ可変,と言った使い方は出来ない。そのためか他のフィルターと比べると切れも悪い。また,昔のデジタルEQ風音質とでも云うのかカットオフ周波数をスイープさせたとき音が粗くなる傾向。

iZotope Alloy 2。このプラグインはDynamic系も内蔵している万能プラグインなのだが,EQセクションではレゾナント・フィルターとしての使用も可能。音の広がりも原音のままで,僅かに,気のせいか!?ぐらいの程度で音が軽くなるのがちょっと残念かもしれない。もう一つ残念なのはオートメーション設定時,エディット画面上で50%程度に設定するとAlloyのカットオフ周波数は10KHzとなってしまうこと。指数比例ではないのだ。普通この手のもは周波数が20Hz~20KHz可変であるなら,その50%は20Hz*2^5=640Hz(20Hzの5オクターブ上,10オクターブ上で約20KHz)になるべきなのだが。

まだ他にもPro Tools向けレゾナント・フィルターはあると思うのですが,取り敢えず目についたところを試してみました。個人的にはFilterFreakを置換できるような新たなプラグインの発見を期待していたのですが,その点ではちょっと残念な結果でした。とは云いつつもSonalksis Creative Filterは30ユーロと廉価だったので購入してしまいましたが。FilterFreak,前述した通り機能的は非の打ち所はないのですが,何故か我が環境では一気に3個以上ぐらい使うとPro Toolsの挙動がおかしくなり始める,なんてことを経験している要注意プラグインの一つで置き換え候補があれば,と考えてました。ので,ちょっと残念な結果,あるいはAAX版に期待,か。Brainworx辺りから,Slate Digitalでもいいけどマスタリング・グレードのレゾナント・フィルターが出れば申し分無し,かもしれませんが[:あせあせ:]

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2009/10/13
WAGNUS WAG-DG1
ようやく8月からつながっていたような忙しさは一息ついた感じ!?でも長期休暇は無理かなぁ?多少ペースは落とせる程度かも。

と云ったさなか,電源の取り口が足らなくなってしまったので,とは言うもののあまりコストをかけたくなったので「またもやBelden?」なつもりでヤフオクで物色していたらコストパフォーマンスが高そうな,そしてClock GeneratorやMagma ExpressBoxなどのデジタルものに使う予定だったので「デジタル機器用」と銘打たれたWAGNUSと云うメーカー(?)のWAG-DG1という4個口の電源タップを買ってみたのが先月の下旬でした。様々なオプションがあっていくらでもグレードアップ可能なのだがとりあえず基本のものを購入。値段は1万と消費税。

WAGNUS WAG-DG1
SMC PENTAX-DA★55mmF1.4 SDM

基本仕様は電源プラグに松下電工のWF5018(ホスピタルグレードと言えばで有名な入門的なもの)が使われていたりして正直なところ「まぁそれなりだろうなぁ,でも重要な機材に使う訳じゃないから」と思いつつ念のためにBeldenのPS2600(8個口タップ,電源ケーブルはMarinco 5266BL,B+K 43R01,Belden 19364で自作したものを使用)とでBenchmark DAC1を接続して比較してみた。いやぁビックリ! 予想以上の違いが出た。WAG-DG1の方が全体が力強い,芯のある音がする。明瞭度も申し分なくPS2600を買い換えた方が良いかもと思わせるぐらい。コンセント部は明工社のものだったり特筆する程特別なパーツを使っているわけでは無さそうなんだけど。接点部に「スクワランオイル」を使用していると説明されているのだがそれがキモなのか!?とりあえず「予想外」に満足度の高い買い物だった。一つ難点はケーブルが太くて堅く,取り回しが容易じゃない所ぐらい。

posted at 2009/10/13 22:55:55
lastupdate at 2009/10/13 22:55:55
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