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Pickup Photo!

2009/10/17 :: 1176AE mod#2
と云ったことで,1176AE改造記のその2。前回の序章に続いてまずはメイン音声信号回路に使われているカップリングコンデンサとして使われている電解コンデンサの交換に関してです。
ちょっと用語解説をしますと,コンデンサとは凄くざっくり言うとその容量に応じた電気を溜め込む電子部品。その特性から見かけ上交流は通すけど直流は通さない。コンデンサには使われる材質,構造により様々な種類がありその中で電解コンデンサは二つの電極の絶縁体に電解液を使用しているもの。後に出てくるフィルムコンデンサはその絶縁体が化学合成によるフィルムが使われている。詳しくはウィキペディア辺りで勉強してみてね。そして,カップリングコンデンサとは,凄く簡単に言うと増幅回路間の(通常音声信号回路は複数の増幅回路,アンプから構成されている)電位差(いつも交流信号が0Vを中心に触れているとは限らない)を乗り越えて交流信号を受け渡す(直流は通さず交流を通す特性を利用),つまり増幅回路同士を結合させるために用いられるコンデンサのこと。コンデンサは交流に対してその容量に応じた抵抗として働くのでその前後のパーツによって容量が左右される。大きい容量の時は電解コンデンサを使うのが主にコストの点で有利だが,音質的にはフィルムコンデンサなどに比べると一般的には劣るとされていて,カップリングコンデンサに電解コンデンサが使われている場合音に対する影響が大きくこれを音響用ハイグレード品に交換することで音質を改善することが可能。と云うわけでまずはその電解コンデンサをとなるわけです。
1176AEの場合,メインの音声信号回路(Gain Reduction用の交流を直流に変換する回路を除く部分)に使われている電解コンデンサを用いているカップリングコンデンサはOUTPUT GAINボリュームの前後辺りに位置する(回路的に)C7とC10。Rev.Eの回路図だと1µF/40Vとなっていて1176AE実機にはPHILIPSの印字から察するにKO 021というやつの1µF/63Vが使われている。耐圧がちょっと高めになっているが実測ではC7のほうが約12Vの電位差,C10の方が約1Vで16V以上あれば大丈夫だろうととりあえずパーツ箱で眠っている容量が1µF辺り耐圧16V以上のもので試してみた。Philipsのコンデンサは海外製のプロ機器内でよく見かけるけど自身の自作物では使ったことがないので今ひとつその音傾向が分からないのでもう手探り[:あせあせ:]
まず試してみたのはBlackGate NX-HiQという今は生産中止で入手不可能なバイポーラ(無極性)のものとELNA Silmic II (RFS)。BlackGateの方は肝心の高域で質の変化,よりHi-Fiな感じになる傾向はあるものの落ち着く感じでは無かった。Silmic IIの方はその特徴が遺憾なく発揮され高域が落ち着いたスムーズな感じになった。Vocalの飛び抜けて出てしまいがちなsh-とかもきれいにまとめている。自分がSilmicの音が好きなのかも知れないけどもうこれで決定で後でちゃんと回路図通りの容量のものを買ってくれば良いだけとと思える程。そして交換して気がついたのはPhilipsのは中高域が目立つ,明るくなる傾向でちょっとざらついた質感があるという印象。その他フィルムコンデンサでも試してみた。Jentzen AudioのCrossCapやERO MKT1813とか。いずれも抜けが良くなってオーディオ的には良いのかも知れないけどハイエンドが若干出過ぎな感じで方向性がちょっと違う気がするので結局Silmic IIで決定。
!!$photo1!!TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF]
当初は音にあまり影響がないと考えていたRev.Eの回路図ではC28 50µF/10.4Vとなっているもの,おそらくGAINを制限するための負帰還だと思うのだが,を本当試しにこれも元々Philipsの47µF/40Vが使われていたものをSilmic II 47µF/25Vに交換してみた。意外にこの交換は影響が大きくより滑らか,よりSilmicな音になってしまった。個人的にはその方向はもろ好みなのでそのままSilmic IIに。
!!$photo2!!TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF]
本当は横置きのチューブラー型のものをチョイスするべきなのだがSilmic IIには直立タイプのラディアル型しかないのでここは音優先で。見栄えは良くないけどしょうがない。
コンデンサを3カ所交換するには長文になりすぎたので続きはまた次回へ。無駄に引っ張ります。
と云ったことで,1176AE改造記のその2。前回の序章に続いてまずはメイン音声信号回路に使われているカップリングコンデンサとして使われている電解コンデンサの交換に関してです。
ちょっと用語解説をしますと,コンデンサとは凄くざっくり言うとその容量に応じた電気を溜め込む電子部品。その特性から見かけ上交流は通すけど直流は通さない。コンデンサには使われる材質,構造により様々な種類がありその中で電解コンデンサは二つの電極の絶縁体に電解液を使用しているもの。後に出てくるフィルムコンデンサはその絶縁体が化学合成によるフィルムが使われている。詳しくはウィキペディア辺りで勉強してみてね。そして,カップリングコンデンサとは,凄く簡単に言うと増幅回路間の(通常音声信号回路は複数の増幅回路,アンプから構成されている)電位差(いつも交流信号が0Vを中心に触れているとは限らない)を乗り越えて交流信号を受け渡す(直流は通さず交流を通す特性を利用),つまり増幅回路同士を結合させるために用いられるコンデンサのこと。コンデンサは交流に対してその容量に応じた抵抗として働くのでその前後のパーツによって容量が左右される。大きい容量の時は電解コンデンサを使うのが主にコストの点で有利だが,音質的にはフィルムコンデンサなどに比べると一般的には劣るとされていて,カップリングコンデンサに電解コンデンサが使われている場合音に対する影響が大きくこれを音響用ハイグレード品に交換することで音質を改善することが可能。と云うわけでまずはその電解コンデンサをとなるわけです。
1176AEの場合,メインの音声信号回路(Gain Reduction用の交流を直流に変換する回路を除く部分)に使われている電解コンデンサを用いているカップリングコンデンサはOUTPUT GAINボリュームの前後辺りに位置する(回路的に)C7とC10。Rev.Eの回路図だと1µF/40Vとなっていて1176AE実機にはPHILIPSの印字から察するにKO 021というやつの1µF/63Vが使われている。耐圧がちょっと高めになっているが実測ではC7のほうが約12Vの電位差,C10の方が約1Vで16V以上あれば大丈夫だろうととりあえずパーツ箱で眠っている容量が1µF辺り耐圧16V以上のもので試してみた。Philipsのコンデンサは海外製のプロ機器内でよく見かけるけど自身の自作物では使ったことがないので今ひとつその音傾向が分からないのでもう手探り[:あせあせ:]
まず試してみたのはBlackGate NX-HiQという今は生産中止で入手不可能なバイポーラ(無極性)のものとELNA Silmic II (RFS)。BlackGateの方は肝心の高域で質の変化,よりHi-Fiな感じになる傾向はあるものの落ち着く感じでは無かった。Silmic IIの方はその特徴が遺憾なく発揮され高域が落ち着いたスムーズな感じになった。Vocalの飛び抜けて出てしまいがちなsh-とかもきれいにまとめている。自分がSilmicの音が好きなのかも知れないけどもうこれで決定で後でちゃんと回路図通りの容量のものを買ってくれば良いだけとと思える程。そして交換して気がついたのはPhilipsのは中高域が目立つ,明るくなる傾向でちょっとざらついた質感があるという印象。その他フィルムコンデンサでも試してみた。Jentzen AudioのCrossCapやERO MKT1813とか。いずれも抜けが良くなってオーディオ的には良いのかも知れないけどハイエンドが若干出過ぎな感じで方向性がちょっと違う気がするので結局Silmic IIで決定。
!!$photo1!!TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF]
当初は音にあまり影響がないと考えていたRev.Eの回路図ではC28 50µF/10.4Vとなっているもの,おそらくGAINを制限するための負帰還だと思うのだが,を本当試しにこれも元々Philipsの47µF/40Vが使われていたものをSilmic II 47µF/25Vに交換してみた。意外にこの交換は影響が大きくより滑らか,よりSilmicな音になってしまった。個人的にはその方向はもろ好みなのでそのままSilmic IIに。
!!$photo2!!TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF]
本当は横置きのチューブラー型のものをチョイスするべきなのだがSilmic IIには直立タイプのラディアル型しかないのでここは音優先で。見栄えは良くないけどしょうがない。
コンデンサを3カ所交換するには長文になりすぎたので続きはまた次回へ。無駄に引っ張ります。
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2007/12/10
バウンスによる音の変化
[rec pt]
DigidesignのProToolsを使って,TDMもLEも含め,ミックスダウンをする際,最終的にFileメニューの「Bounce to Disk...」で所謂バウンスを使ってステレオファイルを作成する場合が多いと思います。DATも最早過去のものになりつつあり,CDレコーダーもさほど普及せず,アナログレコーダを使うにも今やコストパフォーマンスは悪いし,バウンスで作成されたファイルをそのままマスタリングに持って行くかAudio CDに焼いて持って行くケースも多いと思います。で,一つの疑問「バウンス」って大丈夫なの??
ProToolsのリファレンスガイド,version 5に付属するものでは「Chapter 29 ミックスダウン」の項で「Digidesignでは,ハードディスク上にマスターをいったん作成することをお勧めしています」と書いてありバウンスは推奨されるマスターの作り方とされている。DATなどを推奨しないのはDATのようなデジタル・レコーダーでは「エラー補正作業が行われるため,データに不可逆的な変化が生じてしまいます」から「オリジナルのミックス・ダウンに忠実という意味では,いったんハードディスクにマスター・ファイルを作成することをお勧めします。」だそうだ。
確かにそれは正しい。でもいい音かどうかは分からない。「いい音」と言うと語弊があるかもしれないが「くる」音か否かはデータの正確性だけでは語れないのでは無いだろうか,だって結構アバウトな,でも高性能な測定機器でも見分けられない違いを簡単に聞き取ってしまう人間の耳なんだもん。
何年か前にバウンスした音とデジタルアウト経由で別のPCで録音し聞き比べる,と云う実験をしたことがあるのだが,もう一度やってみた。それは何故か。一つはブログのネタのために
テスト環境は,再生側にDigidesign Pro Tools 24|MIXのシステムでSoftwareはversion 5.1.3 (24-bit Optimized Mixer Plugin 5.1.1b2 HiRes Dithered Mixer),Audio Interfaceには888|24 I/Oを使用。またAardvark AardSync IIと云うクロックジェネレータからWord Clockを供給。これで最近ミックスしたセッション(24bit 48kHz)をバウンス。と同時にS/PDIF outをRME Digifaceで受け,Word Clockを前出AadSync IIからとりPC上のSteinberb Wavelabというマスタリングソフトで録音。バウンスしたミックスファイルとWavelabで録音した音とを聞き比べてみる。
結論から言うとWavelabで録音した方が,おそらく音質はソフトにそれほど依存しないだろうと考えればS/PDIFから出力された音がバウンスされた音より,ほんの僅かな違いなのだが,高域の伸びがよく華やかで空間が広い音になっている。それに対してバウンスされた方は心持ち地味,きつめに握られた寿司のごとく密度は高いけれど味わい深さが足りない感じ,ちょっと物理的に少し圧縮されたような感じがしてしまう。「空気感が損なわれる」と言えるかもしれない。データに正確だからつまらない音になってしまうのか,ある程度曖昧さが加わるのがいいのか,兎に角S/PDIFの方が少なくともMIXERの意図には忠実な音になっている。
「古いProToolsを使っているからじゃないの?」と言うことありかねないので一応最新のProTools HD,Software version 7.3を使用し録音側は前出のシステムを使ってみたのだが結果は同じ傾向だった。やっぱりバウンスした方が地味になる。
こういうこともあってここ数年,最終的ミックスダウンの時はバウンスはせずに別PCで録音することにしている。確かにレコーダー代わりのシステムをスタジオに持ち込むのは面倒なのだがそこは妥協すべきところではないし致し方なし。超高価な,1台百万以上するDAC,ADCを持っていれば一度アナログを経由させてみたいけどそこはマスタリング時に譲って,ProToolsでミックスダウンする際はそうしている。メーカー側でDAT必須の場合はその通りにはしますが,はい
実験もさほど難しいことはないので気になったひとは自分で確認してみるといいと思います。違いが分からない,という人はある意味幸せなことだと思うのでそれはそれでよろしいんじゃないでしょうか
アーティストやディレクターさんでエンジニアが当たり前のようにマスタリングに持って行く音をバウンスし始めたら「ちょっと待ったー!!」って言ってみましょう。ただスタジオにそう言うレコーダー代わりになるものを用意していない場合が多いのでバウンスするしかないかもしれませんが。もう一台のProToolsがあればそれで,とも思えるけどMacoteau的にはもう一度ProToolsに通すのは余り気が進まない
ProToolsのリファレンスガイド,version 5に付属するものでは「Chapter 29 ミックスダウン」の項で「Digidesignでは,ハードディスク上にマスターをいったん作成することをお勧めしています」と書いてありバウンスは推奨されるマスターの作り方とされている。DATなどを推奨しないのはDATのようなデジタル・レコーダーでは「エラー補正作業が行われるため,データに不可逆的な変化が生じてしまいます」から「オリジナルのミックス・ダウンに忠実という意味では,いったんハードディスクにマスター・ファイルを作成することをお勧めします。」だそうだ。
確かにそれは正しい。でもいい音かどうかは分からない。「いい音」と言うと語弊があるかもしれないが「くる」音か否かはデータの正確性だけでは語れないのでは無いだろうか,だって結構アバウトな,でも高性能な測定機器でも見分けられない違いを簡単に聞き取ってしまう人間の耳なんだもん。
何年か前にバウンスした音とデジタルアウト経由で別のPCで録音し聞き比べる,と云う実験をしたことがあるのだが,もう一度やってみた。それは何故か。一つはブログのネタのために

テスト環境は,再生側にDigidesign Pro Tools 24|MIXのシステムでSoftwareはversion 5.1.3 (24-bit Optimized Mixer Plugin 5.1.1b2 HiRes Dithered Mixer),Audio Interfaceには888|24 I/Oを使用。またAardvark AardSync IIと云うクロックジェネレータからWord Clockを供給。これで最近ミックスしたセッション(24bit 48kHz)をバウンス。と同時にS/PDIF outをRME Digifaceで受け,Word Clockを前出AadSync IIからとりPC上のSteinberb Wavelabというマスタリングソフトで録音。バウンスしたミックスファイルとWavelabで録音した音とを聞き比べてみる。
結論から言うとWavelabで録音した方が,おそらく音質はソフトにそれほど依存しないだろうと考えればS/PDIFから出力された音がバウンスされた音より,ほんの僅かな違いなのだが,高域の伸びがよく華やかで空間が広い音になっている。それに対してバウンスされた方は心持ち地味,きつめに握られた寿司のごとく密度は高いけれど味わい深さが足りない感じ,ちょっと物理的に少し圧縮されたような感じがしてしまう。「空気感が損なわれる」と言えるかもしれない。データに正確だからつまらない音になってしまうのか,ある程度曖昧さが加わるのがいいのか,兎に角S/PDIFの方が少なくともMIXERの意図には忠実な音になっている。
「古いProToolsを使っているからじゃないの?」と言うことありかねないので一応最新のProTools HD,Software version 7.3を使用し録音側は前出のシステムを使ってみたのだが結果は同じ傾向だった。やっぱりバウンスした方が地味になる。
こういうこともあってここ数年,最終的ミックスダウンの時はバウンスはせずに別PCで録音することにしている。確かにレコーダー代わりのシステムをスタジオに持ち込むのは面倒なのだがそこは妥協すべきところではないし致し方なし。超高価な,1台百万以上するDAC,ADCを持っていれば一度アナログを経由させてみたいけどそこはマスタリング時に譲って,ProToolsでミックスダウンする際はそうしている。メーカー側でDAT必須の場合はその通りにはしますが,はい

実験もさほど難しいことはないので気になったひとは自分で確認してみるといいと思います。違いが分からない,という人はある意味幸せなことだと思うのでそれはそれでよろしいんじゃないでしょうか


posted at 2007/12/10 23:32:47
lastupdate at 2008/03/05 18:06:09
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